【2026年10月29日】高配当株PF記録|日経+1.10%でPF+0.40%、デンソー決算・自社株買いで+3.29%、コマツは上方修正でも-7.56%

今日のサマリー

日経平均は、プラス705円28銭・プラス1.10パーセントの64,659円47銭で、3日続伸しました。上げ幅は一時900円近くまで広がったそうです。TOPIXも、プラス11.57・プラス0.29パーセントの4,003.28で反発し、4,000台を取り戻しました。

日経新聞によると、上げの中心は、前日に業績予想を上方修正したアドバンテスト。この1銘柄だけで、日経平均を約450円押し上げたとのことです。韓国サムスン電子の7〜9月期決算を受けて、半導体の比率が高い韓国株が下げ、日経平均も一時伸び悩んだものの、午後は先物や個人の押し目買いで持ち直したと伝えられています。東証プライムは値上がり734銘柄・値下がり779銘柄と、ほぼ半々。売買代金は約13兆8,657億円で、6月19日以来、約4カ月ぶりの多さでした。TOPIXの構成銘柄の入れ替えにともなう、パッシブ運用のリバランスの注文が大引けに集中したためだそうです。

わたしのポートフォリオは、プラス149,305円・プラス0.40パーセント。対日経はマイナス0.70パーセントポイントですが、対TOPIXはプラス0.11パーセントポイントです。日経平均には3日続けて負けましたが、負け幅は昨日のマイナス1.99ポイントから小さくなりました。今日は取引はありません。

今日のトピックは:

  1. 日経平均はプラス1.10パーセントで3日続伸、アドバンテスト1銘柄で約450円。わたしのポートフォリオはプラス0.40パーセント、対TOPIXでは小幅に勝ち
  2. 決算で明暗。デンソー(6902)は中間期の純利益9パーセント減でも、最大2,000億円の自社株買いと、発行済み株式の13.74パーセントの消却を出してプラス3.29パーセント。コマツ(6301)は通期の上方修正でも市場予想に届かず、マイナス7.56パーセント
  3. AB&C(9251)は権利落ちでマイナス10.98パーセント。そして、十六FG(7380)の年間配当を53円と書いてきましたが、9月に記念配当5円が上乗せされて58円になっていました。今日の記事で訂正します

主要指数とポートフォリオの比較

指標 終値 前日比 騰落率
私のポートフォリオ 37,061,078円 +149,305円 +0.40%
日経平均 64,659.47円 +705.28円 +1.10%
TOPIX 4,003.28 +11.57 +0.29%

日経平均に対してマイナス0.70パーセントポイント、TOPIXに対してプラス0.11パーセントポイント。

日経平均の上げ705円のうち、約450円はアドバンテストの分。残りの約255円を率に直すと、0.4パーセントほどです。アドバンテストを持っていないわたしのポートフォリオのプラス0.40パーセントは、ちょうど「アドバンテスト抜きの日経平均」くらいだったことになります。JPX日経400もプラス0.13パーセントと小幅で、今日も上げの中心は一部の値がさ株でした。

80日累計で対日経+14.59ppt

日付 日経平均 TOPIX ポートフォリオ 対日経差
7月(21日) -8.56%累計 -0.80%累計 +6.76%累計 +15.32ppt累計
8月(20日) +3.20%累計 +3.81%累計 +3.41%累計 +0.21ppt累計
9月(19日) +0.84%累計 -1.04%累計 -1.63%累計 -2.47ppt累計
10/1(木) +3.30% +0.57% -0.61% -3.91ppt
10/2(金) -0.94% -0.99% -1.19% -0.25ppt
10/5(月) +2.40% +1.33% +0.67% -1.73ppt
10/6(火) +1.05% +0.92% +0.56% -0.49ppt
10/7(水) -0.92% -0.70% -0.64% +0.28ppt
10/8(木) -1.42% -1.51% -1.37% +0.05ppt
10/9(金) -0.02% +0.33% +0.40% +0.42ppt
10/13(火) -1.82% +0.14% +1.25% +3.07ppt
10/14(水) -0.05% -0.34% -0.21% -0.16ppt
10/15(木) -4.90% -2.38% -1.16% +3.74ppt
10/16(金) +1.39% +1.67% +1.57% +0.18ppt
10/19(月・記事なし) -0.62% +0.04% +0.37%(推計) +0.99ppt(推計)
10/20(火) -1.30% -1.43% -1.41% -0.11ppt
10/21(水) +0.85% +0.86% +0.68% -0.17ppt
10/22(木) -2.65% -1.14% -0.37% +2.28ppt
10/23(金) -0.34% -0.79% -0.38% -0.04ppt
10/26(月) -0.80% +0.18% +0.96% +1.76ppt
10/27(火) +1.73% +0.61% -0.04% -1.77ppt
10/28(水) +1.08% -0.14% -0.91% -1.99ppt
10/29(木) +1.10% +0.29% +0.40% -0.70ppt
80日累計 -7.40% -0.51% +7.11% +14.59ppt

80日累計は、日経平均マイナス7.40パーセントに対してポートフォリオはプラス7.11パーセント、対日経通算プラス14.59パーセントポイント。3日間で4.46ポイント縮みました。10月の20営業日の合計は、プラス1.45ポイントです。

ただ、今日は3日間でいちばん負け幅が小さく、ポートフォリオ自体もプラス。10/27・10/28は「日経平均は上がったのに、わたしはマイナス」でしたが、今日は一緒に上がることができました。TOPIXがプラスに戻り、値上がりと値下がりがほぼ半々になると、わたしのポートフォリオもちゃんとついていける——昨日の📚解説で書いた「分散ポートフォリオは“多数決”側に近い」を、裏返しで確かめた一日でした。明日は10月の最終営業日です。

本日の取引

今日は、売買なしです。

昨日までの2日間で、デンソーを含む9銘柄を買い増したばかり。今日は決算が相次ぐ日だったので、数字と株価の反応を見ることに集中しました。“何もしない”も立派な投資判断です。

📊 本日の決算解析: デンソー(6902)は自社株買い・消却で上昇、コマツ(6301)は上方修正でも急落

今日は、わたしの保有銘柄のうち、デンソー・コマツの2社が取引時間中に決算を発表しました。どちらも「通期の数字」ではなく、「株主還元」と「市場の期待」が株価を決めた一日です。野村不動産HD(3231)と小森(6349)は15時30分、引け後の発表なので、株価の反応は明日以降です。

デンソー(6902): 中間期の純利益9%減、でも最大2,000億円の自社株買いと13.74%の消却

デンソーは、今日の11時10分、取引時間中に中間決算を発表しました。わたしは12株・平均取得単価1,823円で持っています。一昨日・昨日と、決算前に2日続けて買い増した銘柄です。

項目 内容
売上収益(4〜9月) 3兆8,435億円(前年同期比+7%)
営業利益(4〜9月) 1,701億円(同-20%)
純利益(4〜9月) 1,197億円(同-9%)
自社株買い 上限2,000億円・1億株(発行済み株式の3.99%)、10/30〜2027/3/31
自己株式の消却 4億株(発行済み株式の13.74%)、11/30予定

日経新聞によると、減益の理由は素材・部材費の高騰。営業利益を970億円押し下げ、そのうち半導体メモリーの値上がりの影響が440億円ほどとのことです。銅・アルミ・樹脂も上がっている。賃上げなど人への投資も270億円の減益要因で、原価低減(972億円)や円安(280億円)のプラスでも補いきれませんでした。トヨタの中国での生産が18パーセント減るなど、中国での苦戦も響いたと報じられています。

ここまでだと売られそうな内容ですが、株価は、プラス59.5円・プラス3.29パーセントの1,868.5円。今日の安値は1,767円で、4月28日につけた年初来安値1,801円をいったん下回りましたが、そこから一日の高値で引けました。上昇TOP5の4位です。

株価を支えたのは、同時に出た株主還元だとみています。最大2,000億円・発行済み株式の3.99パーセントの自社株買いに加えて、4億株・13.74パーセントという大きな規模の自己株式の消却。詳しくは下の📚解説で書きますが、「利益は減っても、1株あたりの価値は守る」という会社のメッセージとして受け取られたのだと思います。

12株で、含み益はプラス546円・プラス2.50パーセント。昨日まではマイナス圏でしたが、決算の日にプラスに浮上しました。年間配当74円(会社予想)に対して、取得利回りは4.06パーセント、今日の終値での現在利回りは3.96パーセントです。ただ、メモリーや金属の値上がりは下期も続きそう。次の買い増しは、通期の見通しと、自社株買いの進み方を見てから考えます。

コマツ(6301): 通期純利益を一転増益に上方修正、それでも市場予想に届かずマイナス7.56%

コマツは、今日の14時30分、取引時間中に中間決算を発表しました。わたしは100株・平均取得単価3,618円で持っています。

項目 内容
売上高(4〜9月) 2兆1,586億円(前年同期比+14%)
純利益(4〜9月) 1,919億円(同+9%)
通期売上高予想 4兆4,500億円(1,480億円上方修正・前期比+8%)
通期営業利益予想 5,850億円(300億円上方修正・前期比+3%)
通期純利益予想 3,490億円→3,820億円(前期比-7%から一転+1%)
市場予想(QUICKコンセンサス) 純利益3,947億円

日経新聞によると、北米と中南米で、AIデータセンター向けなどの建機需要が伸び、想定為替レートも1ドル154.5円へ円安方向に見直したとのことです。米関税によるコスト増も、従来の想定より小さくなる見込み。中身だけ見れば、悪くない決算です。

ところが、修正後の純利益3,820億円は、市場予想の3,947億円に届きませんでした。株価は発表の直後から急落し、終値はマイナス515円・マイナス7.56パーセントの6,300円。約3カ月ぶりの安値で、今日の下落TOP5の2位です。100株で、マイナス51,500円。今日のわたしのポートフォリオで、いちばん大きなマイナスになりました。

10/27の📚解説で、「市場が見ているのは、前年との比較ではなく、期待との差」と書きました。コマツは、まさにその典型です。会社は上方修正したのに、市場はもっと大きな上方修正を期待していた。しかも、9月にはシティグループ証券が投資判断を最上位に引き上げ、株価は7,600円台まで上がっていたので、期待はかなり高かったのだと思います。

それでも、含み益はプラス268,200円・プラス74.13パーセント。会社予想の年間配当190円は変わらず、取得利回りは5.25パーセント、今日の終値での現在利回りは3.02パーセントです。中間配当の開示も同時に出ています。業績は一転増益の見通しで、配当も維持。長期で持つわたしにとっては、株価の期待が少ししぼんだだけ、という受け止めです。

私の高配当株ポートフォリオ実績

上昇TOP5

銘柄(コード) 保有数 平均取得単価 終値 前日比(%) 評価損益 年間配当金 取得利回り 現在利回り
東京きらぼしFG(7173) 80 237円 1,519円 +53(+3.62%) +102,560円 30円 12.66% 1.97%
南海辰村建設(1850) 300 318円 429円 +14(+3.37%) +33,300円 8円 2.52% 1.86%
イージェイHD(2153) 18 1,765円 1,840円 +59(+3.31%) +1,350円 82円 4.65% 4.46%
デンソー(6902) 12 1,823円 1,868.5円 +59.5(+3.29%) +546円 74円 4.06% 3.96%
十六FG(7380) 50 459円 2,455円 +72(+3.02%) +99,800円 58円 12.64% 2.36%

上昇TOP5は、地銀の東京きらぼしFGと十六FG、建設の南海辰村建設、建設コンサルタントのイージェイHD、そして決算のデンソー。5銘柄すべてプラス3パーセント台という、横並びの上げでした。決算で上げたのは、4位のデンソーだけです。

東京きらぼしFG(7173)・十六FG(7380)——地銀2行がそろって上昇

1位の東京きらぼしFGは、プラス53円・プラス3.62パーセントの1,519円。含み益率はプラス540.93パーセントです。5位の十六FGは、プラス72円・プラス3.02パーセントの2,455円で、含み益率はプラス434.86パーセント。どちらも10/23に下落TOP5に入った銘柄で、そこから戻してきました。

2行とも、今日は会社からの開示は見当たりません。日銀の金融政策決定会合(10/29〜30)の初日で、銀行株は会合の結果をにらんだ動きだとみていますが、はっきりした理由は分かりません。東京きらぼしFGの決算発表は明日10/30、十六FGは11月9日の予定です。

【訂正】十六FG(7380)の年間配当は53円ではなく58円でした

今日、十六FGの配当を確かめ直したところ、Yahoo!ファイナンスの1株配当(会社予想)は58円でした。わたしはこれまで53円と書いてきました。調べると、9月18日の15時に「中間配当予想の修正(設立5周年記念配当)」が出ていて、中間配当に記念配当5円が上乗せされていました。

9/25・10/6・10/7・10/14・10/20・10/21・10/23の記事では、53円・取得利回り11.55パーセントのままになっています。正しくは、58円・取得利回り12.64パーセントです。10/26のFUJIMIに続いて、配当の修正を1カ月以上見落としていました。申し訳ありません。

記念配当は、その年だけの上乗せです。来期以降もこの5円が続くとは限らないので、ふだんの配当の水準は53円と考えておきます。50株なので、今回の上乗せで受け取る配当は、税引前で250円増えます。

南海辰村建設(1850)・イージェイHD(2153)——建設の小型株

2位の南海辰村建設は、プラス14円・プラス3.37パーセントの429円。南海電鉄が6割近くを持つ、大阪の建設会社です。PERは7.38倍、PBRは0.62倍と、数字の上ではかなりの割安。決算発表は明日10/30の予定で、今日は決算前です。

3位のイージェイHDは、プラス59円・プラス3.31パーセントの1,840円。道路や河川などの公共インフラの設計を担う、建設コンサルタントです。会社からの新しい開示は見当たらず、理由ははっきりしません。5月決算の会社で、会社予想の年間配当は82円、取得利回りは4.65パーセント。18株で、含み益はプラス1,350円です。

デンソー(6902)——決算と自社株買い

4位のデンソーは、上の📊決算解析のとおりです。

下落TOP5

銘柄(コード) 保有数 平均取得単価 終値 前日比(%) 評価損益 年間配当金 取得利回り 現在利回り
AB&C(9251) 55 1,019円 1,378円 -170(-10.98%) +19,745円 60円 5.89% 4.35%
コマツ(6301) 100 3,618円 6,300円 -515(-7.56%) +268,200円 190円 5.25% 3.02%
大同信号(6743) 20 780円 1,146円 -67(-5.52%) +7,320円 36円 4.62% 3.14%
アドソル日進(3837) 40 967円 1,322円 -44(-3.22%) +14,200円 48円 4.96% 3.63%
スカパーJSAT(9412) 100 661円 1,851円 -46(-2.42%) +119,000円 48円 7.26% 2.59%

下落TOP5は、ストレッチ専門店のAB&C、建機のコマツ、鉄道信号の大同信号、システム開発のアドソル日進、衛星通信のスカパーJSAT。決算で下げたのは、2位のコマツだけです。

AB&C(9251)——今日は権利落ち日

1位のAB&Cは、マイナス170円・マイナス10.98パーセントの1,378円。ストレッチ専門店「ドクターストレッチ」を運営する会社です。

ただ、これは悪いニュースによる下げではないと思っています。AB&Cは10月決算の会社で、配当と株主優待の権利付最終日は昨日(10/28)。今日は権利落ち日です。昨日の終値1,548円に対して、今朝は1,351円で始まりました。

会社予想の年間配当は60円。これに加えて、100株以上の株主にはオンラインストアの割引券(8,000円相当)が出ます。配当と優待を合わせて、1株あたり140円ほどの価値が権利とともに落ちたと考えると、170円の下げのかなりの部分は説明がつきます。10/22には株主優待制度の変更のお知らせも出ていて、優待を目当てにした買いが入っていた可能性もあります。

ちなみに、わたしは55株なので、優待の対象(100株以上)には届いていません。配当の権利はしっかり確定していて、受け取るのは配当だけです。9/29の📚解説で書いた「配当落ちはどこまでが“本当の下げ”か」の考え方でいえば、今日のマイナス9,350円の多くは、これから受け取る配当に姿を変えた分です。含み益はプラス19,745円・プラス35.23パーセントで、取得利回りは5.89パーセント。

コマツ(6301)——上方修正でも、期待に届かず

2位のコマツは、上の📊決算解析のとおりです。

大同信号(6743)・アドソル日進(3837)——上げたあとの一服

3位の大同信号は、マイナス67円・マイナス5.52パーセントの1,146円。昨日の取引時間中に1,246円の年初来高値をつけたばかりで、今日は利益確定の売りに押されたとみています。出来高は2万3,900株と少なく、少しの売りでも値が動きやすい銘柄です。会社からの開示は8月以降ありません。決算発表は11月6日の予定。

4位のアドソル日進は、マイナス44円・マイナス3.22パーセントの1,322円。今日はJPX日経400の中で、NECや野村総合研究所などのソフトウェア株が売られたと報じられていて、その流れに押されたのだと思います。決算発表は11月5日の予定です。

スカパーJSAT(9412)——年初来安値の近く

5位のスカパーJSATは、マイナス46円・マイナス2.42パーセントの1,851円。10/23につけた1,810円が直近の安値で、そこからあまり離れていません。決算発表は11月4日の予定です。含み益はプラス119,000円・プラス180.03パーセント。取得利回り7.26パーセントは、今日のTOP10でいちばん高いです。

ランキング外の180銘柄で、プラス204,039円

増減額
上昇TOP5の合計 +13,816円
下落TOP5の合計 -68,550円
TOP10の合計 -54,734円
ポートフォリオ全体 +149,305円
ランキング外の180銘柄 +204,039円

上昇TOP5と下落TOP5を足すと、マイナス54,734円。コマツの1銘柄でマイナス51,500円なので、TOP10の合計はほぼコマツの分です。それでも全体はプラス149,305円。ランキング外の180銘柄で、プラス204,039円、1銘柄あたり約1,100円のプラスでした。

昨日は「TOP10はプラスなのに、その他大勢がマイナス」。今日はちょうどその反対です。値上がりと値下がりがほぼ半々の相場で、ランキングに載らない銘柄が少しずつ上げてくれました。

ポートフォリオ全体

評価額 含み損益 含み損益(%) 前日比 前日比(%)
37,061,078円 +12,653,944円 +51.85% +149,305円 +0.40%

評価額は37,061,078円。含み損益はプラス12,653,944円・プラス51.85パーセントで、昨日のプラス51.23パーセントから0.62ポイント上がりました。今日は取引がないので、取得総額は昨日と同じ24,407,134円です。

📚 初心者向けワンポイント解説:「自社株買い」と「自己株式の消却」——デンソーが株式の13.74%を消すと、何が変わるのか

今日のデンソーは、利益が減ったのに株価が上がりました。その理由として大きかったのが、最大2,000億円の自社株買いと、4億株の自己株式の消却です。この2つは、ニュースではよくセットで出てきますが、意味は少し違います。

自社株買い——会社が、自分の株を市場から買う

自社株買いは、会社が手元のお金で、自分の会社の株を市場から買い戻すことです。買い戻した株は「自己株式(金庫株)」として会社の手元に置かれ、配当も議決権もつきません。10/16の📚解説で書いたToSTNeT-3も、この自社株買いのやり方の一つです。

市場に出回る株が減るので、利益が同じでも、1株あたりの利益(EPS)は上がります。配当の総額が同じなら、1株あたりの配当も出しやすくなる。会社が「いまの株価は安い」と考えているというメッセージにもなるので、株価にはプラスに働くことが多いです。

消却——会社の手元にある自己株式を、なくしてしまう

消却は、会社がすでに持っている自己株式を、帳簿から消してしまうことです。発行済み株式の数そのものが減ります。

ここで大事なのは、消却する株は、もともと自己株式として会社が持っていた株だということ。自己株式は、もともと配当も議決権もないので、EPSの計算からも外れています。つまり、消却そのもので、1株あたりの利益がすぐに増えるわけではありません。

自社株買い 消却
何をするか 市場から自分の株を買う 手元の自己株式をなくす
市場に出回る株 減る 変わらない(すでに減っている)
発行済み株式数 変わらない 減る
1株あたり利益への効果 すぐに上がる 直接はない
意味 お金を株主に返す 「もう売り戻さない」と約束する

では、消却に意味はないのか

意味はあります。会社の手元に大量の自己株式があると、「いつかまた市場で売られるのでは」という心配が残ります。10/5の📚解説で書いた“希薄化”の、ちょうど逆の心配です。消却すれば、その株は二度と出てきません。「買い戻した株を、もう一度売るつもりはない」という約束になるわけです。

デンソーの場合、4億株は発行済み株式の13.74パーセント。かなり大きな規模の自己株式を、11月30日に消すことになります。これに、新しい自社株買い(1億株・3.99パーセント)が加わります。

わたしの12株はどうなるか

わたしの持ち株は、12株のまま変わりません。ただ、自社株買いで市場に出回る株が減れば、わたしの12株が会社全体に占める割合は、ほんの少しだけ大きくなります。利益が同じでも、1株あたりの取り分が増える。配当の総額が同じなら、1株あたりの配当も増やしやすくなる——長期で持つ株主にとっては、こういうところに効いてくる話です。

もちろん、自社株買いは「株価が安いうちに買う」から意味があるもの。高すぎる値段で買えば、お金の使い方としては損になります。利益が減っているときの株主還元が、この先の配当の伸びにつながるのか。それを、次の決算でも確かめたいと思います。

明日以降の注目ポイント

  • 明日10/30は、日銀の金融政策決定会合の結果発表。銀行・保険・不動産のどこに資金が向かうか
  • 10月30日は、キオクシアHD(285A)・TDK(6762)・Jパワー(9513)・双日(2768)・高速(7504)・GMOフィナンシャルHD(7177)・東京きらぼしFG(7173)・南海辰村建設(1850)の決算予定。キオクシアは10/28の急騰で期待がかなり乗っているので、反応に注意
  • 今日の引け後に中間決算を出した野村不動産HD(3231)と小森(6349)の株価の反応。野村不動産HDは、日経新聞によると通期の営業利益が上振れ、前期比6パーセント増の見通しとのことです
  • デンソー(6902)の自社株買いは10/30から。明日以降の株価の動きにも注目
  • 11月4日はスカパーJSAT(9412)・三菱商事(8058)・IHI(7013)、11月5日はアドソル日進(3837)・FUJIMI(5384)、11月6日は大同信号(6743)、11月9日は十六FG(7380)の決算予定
  • 明日は10月の最終営業日。10月の対日経差がプラスで終われるかどうか

まとめ

10/29
日経平均 +1.10%
TOPIX +0.29%
わたしのポートフォリオ +0.40%

日経平均はプラス705円・プラス1.10パーセントで3日続伸。アドバンテストの上方修正が、1銘柄で約450円を押し上げました。TOPIXもプラス0.29パーセントで4,000台を回復し、プライムの値上がりと値下がりはほぼ半々。大引けにはTOPIXのリバランスの注文が集まり、売買代金は約4カ月ぶりの多さでした。

わたしのポートフォリオはプラス149,305円・プラス0.40パーセント。対日経はマイナス0.70ポイントで、80日累計の対日経差はプラス14.59ポイント。3日続けて日経平均には負けましたが、今日は一緒にプラスで終わり、対TOPIXでは小幅に勝ちました。

決算では、デンソー(6902)が純利益9パーセント減でも、最大2,000億円の自社株買いと13.74パーセントの消却でプラス3.29パーセント。コマツ(6301)は通期を一転増益に上方修正しても、市場予想に届かずマイナス7.56パーセント。同じ日の決算で、「利益が減っても上がる株」と「利益見通しを上げても下がる株」を両方見ました。株価を決めるのは、数字そのものよりも、期待との差と、株主への向き合い方なのだと思います。

上昇TOP5は地銀・建設・デンソーで、5銘柄ともプラス3パーセント台。下落TOP5は権利落ちのAB&Cとコマツが中心で、TOP10の合計はマイナス54,734円。それでも、ランキング外の180銘柄でプラス204,039円。昨日とは反対に、“その他大勢”が支えてくれた一日でした。

今日は取引なし。十六FGの配当は、9月の記念配当5円を見落としていて、53円ではなく58円が正しい数字でした。配当の修正は、TOP5に入ってから気づくことが多い。決算が集中するこの時期こそ、開示の一覧をこまめに見るようにします。明日は日銀会合の結果と、キオクシア・TDKの決算、そして10月の最終営業日です。

明日も、地味に、着実に。


📌 関連記事

免責事項:本記事は個人の投資記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。