今回は自分の保有株式全体を「セクター別」に分解して、どんな偏りがあるのかを徹底的に分析してみました。さらに現代ポートフォリオ理論(MPT)の観点から市場平均(TOPIX)と比較し、今後の方針まで整理しています。
現在のポートフォリオ全体像
まず現時点の保有状況はこんな感じです。
- 総評価額:約3,237万円
- 保有銘柄数:176銘柄
- 分類業種数:東証33業種のうち30業種
銘柄数だけ見ると「十分に分散できてる!」と思いたいところですが、評価額ベースで見ると話が違ってきます。
セクター別の内訳(評価額ベース・上位10業種)
| 業種 | 評価額 | 割合 |
|---|---|---|
| 卸売業 | 約604万円 | 18.6% |
| 銀行業 | 約318万円 | 9.8% |
| その他金融業 | 約260万円 | 8.0% |
| 機械 | 約240万円 | 7.4% |
| 化学 | 約171万円 | 5.3% |
| 情報・通信業 | 約164万円 | 5.1% |
| 食料品 | 約159万円 | 4.9% |
| 建設業 | 約132万円 | 4.1% |
| 輸送用機器 | 約130万円 | 4.0% |
| 不動産業 | 約129万円 | 4.0% |
一目でわかるのが、卸売業(主に総合商社)が18.6%と突出して大きいこと。三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠・丸紅・豊田通商・双日といった大手商社が中心で、配当利回りの高さからここに集中しやすい傾向があります。
このポートフォリオが「弱い」局面
分析してみると、特定の環境で大きく影響を受けやすい構造になっていることがわかりました。
円高になったとき(影響:大・マイナス)
商社は海外資源や取引から外貨収益を得ているため、円高になると業績が圧迫されます。輸送用機器(トヨタ・ホンダ)や機械(コマツ・クボタ)も輸出依存度が高く、景気敏感な輸出系が全体の30%超を占めるため、円高局面では一斉に下落しやすい構造です。
逆に言えば、円安・インフレ環境ではアウトパフォームしやすいのもこのポートフォリオの特徴です。
世界景気が後退したとき(影響:大・マイナス)
商社は資源・エネルギー価格と世界需要に連動しています。機械(設備投資が落ちる)・輸送用機器(自動車販売減少)・鉄鋼・化学(素材需要減)も同時に下落しやすく、景気敏感株が全体の約45% を占めているため、リセッション時にはポートフォリオ全体が大きく下げやすいです。
金利が上昇したとき(影響:プラス方向に働きやすい)
銀行9.8%・その他金融8.0%・保険2.3%など金融セクターが合計**約23%**あるため、金利上昇は収益改善につながります。不動産4%にはマイナスですが、トータルでは金利上昇に比較的強いポートフォリオです。
TOPIXと比較してみると、弱点が鮮明に
ここからが本題です。現代ポートフォリオ理論(MPT)では「時価総額加重平均のインデックスが最も効率的なポートフォリオに近い」とされています。日本株ではそれが TOPIX に相当します。
TOPIXの業種別構成比(概算)と自分のポートフォリオを比べてみると、こんな乖離があります。
大幅オーバーウェイト(持ちすぎ)
| 業種 | 保有PF | TOPIX | 乖離 |
|---|---|---|---|
| 卸売業 | 18.6% | 約5% | +13%超 |
| その他金融業 | 8.0% | 約2.5% | +5.5% |
| 銀行業 | 9.8% | 約7.5% | +2.3% |
商社が好きな高配当投資家あるあるですが、卸売業はTOPIX比で3倍以上の割合になっています。
大幅アンダーウェイト(持たなすぎ)
| 業種 | 保有PF | TOPIX | 乖離 |
|---|---|---|---|
| 電気機器 | 0.7% | 約11% | -10%超 |
| 情報・通信業 | 5.1% | 約15% | -10%超 |
| 輸送用機器 | 4.0% | 約8% | -4% |
| 精密機器 | 0.2% | 約2% | -2% |
電気機器と情報・通信業だけでTOPIXの約26%を占めているのに、このポートフォリオではわずか5.8%しかありません。
日本市場全体が上昇する局面でも、この2業種への露出が薄ければ「市場は上がったのに自分の資産は微増だった」という事態になりやすいです。
現代ポートフォリオ理論(MPT)的に何が問題なのか
MPTの考え方を一言でまとめると、「相関の低い資産を組み合わせることでリスクを下げながら効率的なリターンを目指す」というものです。
このポートフォリオの問題点は、
- 商社・機械・鉄鋼など景気敏感株が集中していて、「世界景気」「資源価格」「円相場」という同じリスクファクターにまとめて晒されている
- ディフェンシブ株(医薬品1.4%・電気ガス0.9%)が極端に少なく、景気悪化時の緩衝材が薄い
- 成長セクター(電気機器・情報通信)がほぼないため、テクノロジー主導の相場に乗り遅れやすい
ということです。
今後やるべきこと(具体的に)
MPTの観点から、以下の3つの方向で徐々にリバランスしていくのが合理的だと考えています。あくまで自分自身の方針として整理したもので、投資判断は個人の責任でお願いします。
① 電気機器・情報通信業への露出を増やす
最もインパクトが大きい改善点です。TOPIXとの乖離を埋めるためには、この2業種を計10〜15%程度まで引き上げるイメージが目標になります。
個別株で考えるなら:
- キーエンス(6861):FA・センサー分野の高収益企業。配当利回りは低めですが業績の安定性が高い
- ソニーグループ(6758):エンタメ・半導体・金融の多角経営。景気敏感度が比較的低い
- 富士通(6702):ITサービス中心に転換済み。配当も安定傾向
- NTTデータグループ(9613):公共・金融系ITで安定収益。高配当寄りの情報通信株として選びやすい
ETFでまとめて解決するなら:
- NEXT FUNDS 電気機器(TOPIX-17)ETF(1620):電気機器セクターにまとめて投資できる
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)(01311C)などのTOPIX連動投信との組み合わせで市場平均に近づける
② 医薬品・ディフェンシブ株を少し積み上げる
現在1.4%しかない医薬品を3〜5%程度まで引き上げると、景気後退時の緩衝材になります。
候補銘柄:
- 武田薬品工業(4502):配当利回りが高く、高配当ポートフォリオとも相性が良い
- 第一三共(4568):抗がん剤のパイプラインが豊富で成長余地もある
- アステラス製薬(4503):すでに保有しているので、ここを少し増やすのが現実的
③ 卸売業(商社)の割合を意識してコントロールする
商社株は高配当かつ優秀な銘柄が多いため、積極的に売却する必要はないと思っています。ただ、新規の資金は商社以外に優先的に振り向けることで、自然と比率を下げていくのが現実的な方法です。
目標としては卸売業を12〜13%程度まで下げていくイメージ。無理に売らず、他を増やして希薄化させる作戦です。
まとめ:「分散してるつもり」が一番危ない
176銘柄を保有しているので「分散できている」と思っていましたが、セクターベースで見ると商社・金融・景気敏感株に大きく偏ったポートフォリオだということが改めて確認できました。
今後の方針をざっくり整理すると:
- 電気機器・情報通信の比率を引き上げる(現在の合計5.8% → 目標15%程度)
- 医薬品を少し積み上げてディフェンシブ性を高める
- 新規投資は商社以外を優先して、卸売業の比率を自然に下げていく
ポートフォリオのリバランスは一気にやる必要はありません。毎月の積み立てや配当の再投資先を意識するだけで、半年〜1年かけてゆっくり変化させていけるはずです。
引き続き、データを見ながら自分なりの最適解を探していきたいと思います。
※本記事は個人の分析・記録であり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。