今日のサマリー
昨日9月3日は「指数は4日続落、中身はバリュー反転」というねじれた一日でした。今日9月4日(金)は、そのねじれが、そっくりそのまま裏返った日です。
日経平均は前日比プラス806円46銭・プラス1.26パーセントの65,020円94銭。5営業日ぶりの大幅反発で、ザラ場では65,182円45銭まで買われ、一時900円を超える上げ幅になりました。きっかけは前日の米国市場です。米国の早期利上げ観測が後退して米長期金利が低下し、9月3日の米株式相場、とくに大型ハイテク株が大きく上昇。その流れを受けて、東京市場でもAI・半導体関連が朝から買い上げられました。ソフトバンクグループは前場で約10パーセント高、野村ホールディングスは18年ぶりの高値を更新、新興市場のグロース250も金利低下を受けて反発しています。
ところが、TOPIXはプラス1.19・プラス0.03パーセントの4,103.23。日経平均がプラス1.26パーセント上げた日に、TOPIXはほぼ横ばいという、極端に開いた一日でした。上げていたのは指数の上位に居座る値がさハイテク株だけで、市場全体はほとんど動いていない——昨日とは逆向きの、しかし構造としてはまったく同じ「指数と中身の乖離」です。
背景には為替と金利があります。ドル円は156円29銭と前日比0円74銭の円高、ザラ場では155円台前半まで急伸する場面もありました。国内の長期金利も2.900パーセントまで低下し、NY原油は1バレル91ドル00銭と小幅安。円高・金利低下・原油安という三点セットは、AI関連の成長株にとっては追い風である一方、わたしが厚く持っている商社・海運・資源・化学・銀行といったバリュー株にはことごとく逆風になります。
そんな一日で、わたしのポートフォリオはマイナス0.55パーセント・マイナス205,673円。対日経ではマイナス1.81パーセントポイント、対TOPIXでもマイナス0.58パーセントポイントと、久しぶりにはっきり負けた日になりました。
今日の3大トピックは:
- 日経平均はプラス1.26パーセントの5営業日ぶり大幅反発。ただしTOPIXはプラス0.03パーセントの横ばいで、上げていたのは値がさAI半導体だけという極端な中身
- ドル円156円29銭への円高と原油安を受けて、下落TOP5は住友化学(4005)・三井物産(8031)・三菱商事(8058)・商船三井(9104)と外需バリューが占有。ポートフォリオはマイナス0.55パーセントで対日経マイナス1.81パーセントポイント
- 東鉄工業(1835)・浜松ホトニクス(6965)・東京建物(8804)を各2株ナンピン。あわせてヤマハ発動機(7272)ほか12月決算4社の中間配当が税引後10,980円入金
主要指数とポートフォリオの比較
| 指標 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 私のポートフォリオ | 37,401,290円 | -205,673円 | -0.55% |
| 日経平均 | 65,020.94円 | +806.46円 | +1.26% |
| TOPIX | 4,103.23 | +1.19 | +0.03% |
日経平均とTOPIXの差はプラス1.23パーセントポイント。ここまで開くのは珍しく、日経平均だけを見て「今日は大勝ちの日だった」と思い込むと、実感と数字がまったく噛み合わなくなるタイプの相場でした。わたしのポートフォリオはTOPIXにすら0.58パーセントポイント負けているので、今日は言い訳のしようがありません。
45日累計で対日経+17.38pptに縮小
| 日付 | 日経平均 | TOPIX | ポートフォリオ | 対日経差 |
|---|---|---|---|---|
| 7/2〜7/30 | -8.56%累計 | -0.94%累計 | +5.20%累計 | +13.76ppt累計 |
| 7/31(木) | +4.03% | +1.29% | +0.06% | -3.97ppt |
| 8/3(月) | -0.94% | -1.08% | -1.22% | -0.28ppt |
| 8/4(火) | +0.32% | +0.04% | -0.49% | -0.81ppt |
| 8/5(水) | +3.66% | +2.13% | +1.20% | -2.46ppt |
| 8/6(木・記事なし) | -0.93% | +0.19%(推計) | +1.17% | +2.10ppt |
| 8/7(金) | -0.12% | +0.47% | +0.70% | +0.82ppt |
| 8/10(月) | +2.08% | +0.63% | -0.09% | -2.17ppt |
| 8/12(水) | +0.83% | +0.94% | +0.61% | -0.22ppt |
| 8/13(木) | +1.16% | +0.89% | +0.48% | -0.68ppt |
| 8/14(金) | +0.59% | +0.51% | +0.28% | -0.31ppt |
| 8/17(月) | +0.74% | -0.31% | -0.42% | -1.16ppt |
| 8/18(火) | -2.54% | -1.05% | -0.15% | +2.39ppt |
| 8/19(水) | -3.16% | -3.09% | -2.47% | +0.69ppt |
| 8/20(木) | +1.36% | +1.18% | +1.35% | -0.01ppt |
| 8/21(金) | -0.30% | +0.19% | +1.02% | +1.32ppt |
| 8/24(月) | -0.74% | +0.15% | +0.28% | +1.02ppt |
| 8/25(火) | +0.50% | +0.50% | +0.31% | -0.19ppt |
| 8/26(水) | +0.62% | +0.42% | +0.21% | -0.41ppt |
| 8/27(木) | -0.20% | +0.15% | +0.14% | +0.34ppt |
| 8/28(金) | +0.41% | +0.72% | +0.28% | -0.13ppt |
| 8/31(月) | -0.14% | +0.23% | +0.22% | +0.36ppt |
| 9/1(火) | -0.15% | +0.62% | +1.46% | +1.61ppt |
| 9/2(水) | -2.85% | -2.40% | -1.68% | +1.17ppt |
| 9/3(木) | -0.17% | +0.50% | +0.71% | +0.88ppt |
| 9/4(金) | +1.26% | +0.03% | -0.55% | -1.81ppt |
| 45日累計 | -7.27% | +1.76% | +10.11% | +17.38ppt |
45日累計は日経平均マイナス7.27パーセントに対してポートフォリオはプラス10.11パーセント、対日経通算プラス17.38パーセントポイント。昨日のプラス19.19pptから、今日1日でマイナス1.81pptを吐き出しました。
この表を上から眺めると、わたしのポートフォリオが負ける日には、はっきりした共通点があります。7月31日のマイナス3.97ppt、8月5日のマイナス2.46ppt、8月10日のマイナス2.17ppt、そして今日のマイナス1.81ppt——いずれも日経平均が大きくプラスで反発した日です。逆に日経平均が大きく下げた8月18日はプラス2.39ppt、8月19日はプラス0.69pptと勝っている。
つまり、わたしのポートフォリオは「下げに強く、上げについていけない」という性格をはっきり持っています。これは欠点というより、バリュー分散型を選んだ時点で織り込み済みの構造です。45日で対日経プラス17.38パーセントポイントという数字は、勝った日に大きく勝ったからではなく、負ける日を浅く済ませてきた結果——今日みたいな日は、その代金を払う日だと思っています。
本日の取引
今日買ったのは3銘柄・6株・合計19,299円。すべてナンピンです。
| 銘柄(コード) | 約定株数 | 約定単価 | 約定金額 | 意図 |
|---|---|---|---|---|
| 東鉄工業(1835) | 2 | 3,975円 | 7,950円 | ナンピン(20→22株) |
| 浜松ホトニクス(6965) | 2 | 2,298.5円 | 4,597円 | ナンピン(12→14株) |
| 東京建物(8804) | 2 | 3,376円 | 6,752円 | ナンピン(86→88株) |
| 合計 | 6 | — | 19,299円 | — |
3銘柄とも、おととい9月2日の全面安の日にもナンピンした銘柄です。日経平均が800円上げている日に、わざわざ下げている銘柄を買い足している——今日の買いは、それ以上でも以下でもありません。
平均取得単価は3銘柄とも下がった
ナンピンの効果は、平均取得単価で確認するのがいちばん分かりやすいと思っています。
| 銘柄(コード) | 買い増し前 | 買い増し後 | 平均取得単価の変化 |
|---|---|---|---|
| 東鉄工業(1835) | 20株・4,118円 | 22株・4,105円 | -13円 |
| 浜松ホトニクス(6965) | 12株・2,344円 | 14株・2,338円 | -6円 |
| 東京建物(8804) | 86株・3,515円 | 88株・3,512円 | -3円 |
1回あたり2株なので、動くのは数円です。東京建物(8804)にいたっては、88株の平均取得単価が3円下がっただけ。これを「意味がある」と言えるかどうかが、S株ナンピンの評価の分かれ目だと思います。
わたしの答えは「1回では意味がないが、続けると効く」です。実例が手元にあります。
浜松ホトニクス(6965)は4回目のナンピン
浜松ホトニクスは、8月31日に4株の打診買いで入った銘柄です。そこから今日まで、こうなっています。
| 日付 | 売買 | 株数 | 約定単価 | 買い増し後の保有 | 買い増し後の平均取得単価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/31(月) | 新規(打診買い) | 4 | 2,372円 | 4株 | 2,372円 |
| 9/1(火) | ナンピン | 4 | 2,348.5円 | 8株 | 2,361円 |
| 9/2(水) | ナンピン | 4 | 2,310円 | 12株 | 2,344円 |
| 9/4(金) | ナンピン | 2 | 2,298.5円 | 14株 | 2,338円 |
4営業日で平均取得単価は2,372円から2,338円へ、34円下がりました。率にするとマイナス1.43パーセント。株価そのものは2,372円から2,298円50銭へマイナス3.10パーセント下げているので、下落の半分弱を、買い増しで取り返した計算になります。
光半導体・光電子増倍管という、他社が簡単には真似できない領域を持っている会社です。AI半導体が今日のように派手に買われる横で、同じ「光と半導体」の会社が静かに売られている——この温度差は、わたしにとってはむしろありがたい状況です。株価が下がっているあいだしか、平均取得単価は下げられません。
東鉄工業(1835)は鉄道工事、東京建物(8804)は不動産。どちらも内需で、景気の波に対しては比較的鈍い業種です。今日のように「AI半導体だけが上がる日」には、こういう銘柄はきれいに置いていかれます。置いていかれた分だけ、買える値段になっているというだけの話だと受け止めています。
私の高配当株ポートフォリオ実績
上昇TOP5
| 銘柄(コード) | 保有数 | 平均取得単価 | 終値 | 前日比(%) | 評価損益 | 年間配当金 | 取得利回り | 現在利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| キオクシアHD(285A) | 10 | 56,044円 | 54,460円 | +2,790(+5.40%) | -15,840円 | 0円(無配) | 0.00% | 0.00% |
| JPX(8697) | 100 | 1,425円 | 2,239円 | +95(+4.43%) | +81,400円 | 77円 | 5.40% | 3.44% |
| SBIHD(8473) | 208 | 1,735円 | 3,390円 | +126(+3.86%) | +344,240円 | 95円 | 5.48% | 2.80% |
| メタウォーター(9551) | 38 | 3,238円 | 3,170円 | +105(+3.43%) | -2,584円 | 80円 | 2.47% | 2.52% |
| 南海辰村建設(1850) | 300 | 318円 | 436円 | +13(+3.07%) | +35,400円 | 8円 | 2.52% | 1.83% |
1位はキオクシアHD(285A)のプラス5.40パーセント。米ハイテク株高をそのまま受け取った、今日のいちばん分かりやすい銘柄です。10株・平均取得単価56,044円に対して終値54,460円で、含み損益はマイナス15,840円・マイナス2.83パーセント。7月14日に2株の打診買いで入ってから、ずっとプラスとマイナスのあいだを行き来している銘柄です。10月1日には1株を3株に分割する予定なので、そのころには保有株数が30株、平均取得単価は約18,681円という表示に変わることになります。
2位のJPX(日本取引所グループ・8697)はプラス4.43パーセント、3位のSBIホールディングス(8473)はプラス3.86パーセント。この2社が並んだのは、今日の相場の性格そのものだと思っています。取引所とネット証券は、相場が活況になれば売買代金が増え、それがそのまま収益になるビジネスです。日経平均が一時900円超上げて、新興市場まで反発する日は、銘柄の中身に関係なく「板が動くこと自体」が追い風になります。JPXは100株・平均取得単価1,425円に対して終値2,239円で含み益率プラス57.12パーセント、年間配当77円で取得利回りは5.40パーセント。7月28日にQ1決算と同時に、配当を61円から77円へ26.2パーセント増配した銘柄で、配当性向60パーセントを目標として掲げています。SBIHDは208株・平均取得単価1,735円に対して終値3,390円、含み益率プラス95.39パーセント、年間配当95円で取得利回りは5.48パーセントです。
4位のメタウォーター(9551)はプラス3.43パーセント。水処理プラントの会社で、おととい9月2日に2株を3,050円でナンピンしたばかりです。38株・平均取得単価3,238円に対して終値3,170円なので、含み損益はまだマイナス2,584円・マイナス2.10パーセント。買った2日後に3.43パーセント戻してくれたわけで、平均取得単価まではあと68円というところまで来ました。5位の南海辰村建設(1850)はプラス3.07パーセント、300株・平均取得単価318円に対して終値436円で含み益率プラス37.11パーセントです。
上昇TOP5の5銘柄のうち、含み益が乗っているのは3銘柄だけ。キオクシアHDとメタウォーターは、上げた今日でもまだ含み損です。上昇率上位に含み損の銘柄が並ぶというのは、それだけ最近の買い増しが多いということでもあります。
下落TOP5
| 銘柄(コード) | 保有数 | 平均取得単価 | 終値 | 前日比(%) | 評価損益 | 年間配当金 | 取得利回り | 現在利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 住友化学(4005) | 100 | 474円 | 594.7円 | -32(-5.11%) | +12,070円 | 16円 | 3.38% | 2.69% |
| 三井物産(8031) | 165 | 2,730円 | 5,019円 | -234(-4.45%) | +377,685円 | 140円 | 5.13% | 2.79% |
| ハピネット(7552) | 6 | 2,678円 | 3,660円 | -120(-3.17%) | +5,892円 | 100円 | 3.73% | 2.73% |
| 三菱商事(8058) | 190 | 2,282円 | 4,902円 | -157(-3.10%) | +497,800円 | 125円 | 5.48% | 2.55% |
| 商船三井(9104) | 6 | 4,999円 | 6,969円 | -221(-3.07%) | +11,820円 | 205円 | 4.10% | 2.94% |
今日の下落TOP5は、見事なまでに為替と資源の銘柄でした。総合化学、総合商社2社、海運——ハピネット(7552)以外の4銘柄は、いずれも円高と原油安が直撃するセクターです。今日のワンポイント解説は、ここを掘り下げます。
1位の住友化学(4005)はマイナス5.11パーセント。ただしこの銘柄は、9月1日にプラス8.37パーセントで東証プライムの値上がり率トップに立ったばかりです。そこからの反動と利益確定売りという面が大きいと見ています。100株・平均取得単価474円に対して終値594円70銭で、含み益率はプラス25.46パーセント。5パーセント下げてもなお、含み益は12,070円残っています。
2位の三井物産(8031)はマイナス4.45パーセント、4位の三菱商事(8058)はマイナス3.10パーセント。昨日は米バークシャーCEOの発言で商社株が買われ、三菱商事は上昇TOP5の2位でプラス4.09パーセントだった銘柄です。その翌日にマイナス3.10パーセント——まる1日で、昨日の上げの4分の3を返したことになります。商社は海外事業の利益を円に換算して取り込むので、円高はそのまま円建て利益の目減りに効きます。加えて資源価格にも連動するので、円高と原油安が同時に来ると二重に効くという構造です。とはいえ、三井物産は165株・平均取得単価2,730円に対して終値5,019円で含み益率プラス83.85パーセント、三菱商事は190株・平均取得単価2,282円に対して終値4,902円で含み益率プラス114.81パーセント。この2社だけで含み益は87万円あります。1日の値動きで手放す理由には、まったくなりません。
5位の商船三井(9104)はマイナス3.07パーセント。海運も運賃がドル建てなので、円高は素直に逆風です。6株・平均取得単価4,999円に対して終値6,969円、含み益率プラス39.41パーセントで、年間配当205円・取得利回り4.10パーセント。3位のハピネット(7552)はマイナス3.17パーセントで、玩具・映像ソフトの流通を手がける内需寄りの会社。この銘柄だけは円高が逆風とは言いにくいので、別の要因があったか、単に地合いに巻き込まれたかというところだと思っています。
下落TOP5の5銘柄すべてが含み益を維持——しかも4銘柄が含み益率プラス25パーセント以上です。今日のような日は、含み益の一部が削られているだけで、資産が減っているわけではありません。
ポートフォリオ全体
| 評価額 | 含み損益 | 含み損益(%) | 前日比 | 前日比(%) |
|---|---|---|---|---|
| 37,401,290円 | +13,812,536円 | +58.56% | -205,673円 | -0.55% |
評価額3,740万円、含み損益プラス1,381万円、含み損益率プラス58.56パーセント。昨日のプラス59.48パーセントからマイナス0.92パーセントポイントです。
今日は19,299円を買い増しているので、取得コストは23,569,414円から23,588,754円へ19,340円増えました。9月2日の解説で分解したのと同じやり方で内訳を見ると、株価によるものがマイナス0.88ppt、買い増しによるものがマイナス0.04ppt。今日の下げは、ほぼまるごと株価によるものです。買い増しの金額が2万円弱と小さいので、分母への影響もほとんど出ていません。
📚 初心者向けワンポイント解説:円高はなぜ商社・海運・化学に効くのか——為替がバリュー株の株価を動かす3つのルート
今日の下落TOP5は、住友化学・三井物産・三菱商事・商船三井——総合化学、総合商社2社、海運という並びでした。業種はバラバラなのに、下げた理由はおそらく1つです。ドル円が156円29銭と、前日から0円74銭の円高になったこと。
「円高になると輸出企業に逆風」——これは投資を始めた最初の週に聞く言葉だと思います。ただ、なぜそうなるのかを分解しておくと、自分のポートフォリオが為替にどれくらい晒されているかが見えてきます。
ルート1: 円換算ルート(いちばん大きい)
海外で稼いだ利益を、決算では円に直して計上する——ここがいちばん素直に効きます。
たとえば、海外子会社が1億ドルの利益を上げたとします。
| 為替レート | 円換算した利益 |
|---|---|
| 1ドル=157円 | 157億円 |
| 1ドル=156円 | 156億円 |
| 1ドル=150円 | 150億円 |
現地でのビジネスは1ミリも変わっていないのに、円建ての利益だけが変わります。総合商社は世界中に事業を持ち、利益の大半を海外で稼いでいるので、このルートの影響が非常に大きい。三井物産や三菱商事が「円高で売られる」と言われるのは、主にこれです。
多くの企業は決算短信で「想定為替レート」を公表しています。1円の円高で営業利益が何十億円動くという感応度も併記されることが多いので、保有銘柄については一度目を通しておくと、為替ニュースの受け止め方が変わります。
ルート2: 価格競争力ルート
輸出品の現地価格が変わるルートです。
円高になると、同じ円建て価格で売ろうとしたとき、ドル建ての値段が上がります。海外の顧客から見れば「日本製品が値上がりした」ことになるので、競合に対して不利になる。逆に値段を据え置けば、円建ての手取りが減ります。どちらにしても利益は圧迫されるわけです。
自動車や機械、精密機器といった、海外で価格競争をしている業種にはこのルートが効きます。今日、中間配当が入金したヤマハ発動機(7272)は、二輪とマリンを世界中で売っている会社なので、まさにこのルートの当事者です。今日わたしがナンピンした浜松ホトニクス(6965)も、海外売上比率の高い輸出企業——今日は半導体高の恩恵より、円高の逆風のほうが勝ったように見えます。
ルート3: 資源・運賃ルート
商品市況そのものがドル建てというルートです。
原油、鉄鉱石、石炭、そして海運の運賃——これらは国際市場でドル建てで取引されます。つまり、円高になると、円に直したときの単価が下がる。今日はNY原油が1バレル91ドル00銭と0ドル30銭の小幅安でしたが、円高と重なると、円換算ではもう少し大きく目減りします。
商船三井(9104)の運賃も、住友化学(4005)が扱う石化製品の市況も、この影響を受けます。商社にいたっては、ルート1とルート3の両方が同時に効く——今日の下落TOP5に商社が2社入ったのは、偶然ではありません。
逆に円高が追い風になる銘柄もある
もちろん、全部が逆風というわけではありません。
| 円高が追い風になる業種 | 理由 |
|---|---|
| 輸入・小売 | 仕入れコストが下がる |
| 電力・ガス | 燃料の輸入価格が下がる |
| 紙・食品 | 原材料の多くを輸入に頼っている |
| 内需サービス | 為替の影響をほとんど受けない |
今日の下落3位だったハピネット(7552)は、玩具や映像ソフトの流通が本業で、むしろ輸入側の会社です。円高で下げる理屈は薄いので、地合いに巻き込まれた面が大きいのではないかと見ています。
自分のポートフォリオが「どちら側」に寄っているか
ここが本題です。高配当バリュー株を集めていくと、気がつくと為替に対して「円安が追い風」の側に偏りやすいという傾向があります。
理由は単純で、高配当・低PBRで残っている銘柄には、商社・海運・鉄鋼・化学・資源といった外需のオールドエコノミーが多いからです。わたしのポートフォリオも、まさにその塊になっています。
- INPEX(1605) —— 原油・天然ガス、ドル建て市況の直撃を受ける
- 三菱商事(8058)・三井物産(8031)・住友商事(8053) —— 海外利益の円換算
- 商船三井(9104) —— 運賃がドル建て
- 住友化学(4005) —— 石化市況と輸出
- ヤマハ発動機(7272) —— 二輪・マリンの海外販売、価格競争力ルートの直撃
つまり、わたしのポートフォリオは「円安で強く、円高で弱い」。今日のマイナス0.55パーセントは、その性格がそのまま出た数字です。
では、どうするか
わたしの結論は3つです。
- 為替は予想しない——プロが外し続けている変数を、個人が当てられると思わないほうがいい
- 為替に対して逆側の銘柄も持っておく——電力・内需サービス・小売を混ぜておくと、日々の振れが小さくなる
- 配当は円建てで、為替と無関係に積み上がる——株価が円高で下げても、受け取る配当金が減るわけではない
3番目がいちばん大事だと思っています。今日、三菱商事は3.10パーセント下げましたが、年間配当125円という予想は今日1日で変わったわけではありません。平均取得単価2,282円に対する取得利回り5.48パーセントも、そのままです。株価は為替で毎日動くけれど、取得利回りは自分が買った瞬間に確定して、あとは増配でしか動かない——この非対称性が、高配当株投資の安心材料なのだと思います。
為替のニュースを見て慌てるのではなく、「今日はルート1が効いたな」と分解して眺められるようになる——今日はそのための一日でした。
配当情報
今日は12月決算企業4社の中間配当が入金しました。税引後で合計10,980円です。
| 銘柄(コード) | 基準日の保有株数 | 1株中間配当 | 配当金総額 | 税額 | 受取額(税引後) |
|---|---|---|---|---|---|
| ヤマハ発動機(7272) | 300株 | 25円 | 7,500円 | 1,523円 | 5,977円 |
| キリンHD(2503) | 100株 | 38円 | 3,800円 | 771円 | 3,029円 |
| サンセイランディック(3277) | 100株 | 21円 | 2,100円 | 426円 | 1,674円 |
| 荏原実業(6328) | 10株 | 37.5円 | 375円 | 75円 | 300円 |
| 合計 | — | — | 13,775円 | 2,795円 | 10,980円 |
最大の入金はヤマハ発動機(7272)の5,977円。300株保有で、1株25円の中間配当でした。今期の年間配当予想は50円なので、そのちょうど半分です。この会社は前期35円から今期50円へ、15円の増配を発表しています。8月に発表した第1四半期は売上高7,301億円・プラス16.6パーセント、営業利益626億円・プラス43.8パーセントと、二輪とマリンが揃って好調でした。300株・平均取得単価1,222円に対して年間50円なので、取得利回りは4.09パーセント——年間15,000円(税引前)が入ってくる計算です。株主優待を目当てに300株を長く持ち続けている銘柄でもあり、含み損の期間がずいぶん長かったのですが、今はしっかり含み益圏にいます。
そして今日という日に、この会社の配当が届いたことには、少し皮肉な味わいがあります。ヤマハ発動機は二輪・マリンを世界中で売る、典型的な輸出企業です。今日の円高は、この会社にとってまさに逆風の材料でした。株価は為替で毎日揺れるけれど、6月末に確定した配当は、その揺れとは無関係に振り込まれる——今日のワンポイント解説で書いたことが、そのまま口座の履歴に出た格好です。
2番目の入金はキリンホールディングス(2503)の3,029円。100株保有で、年間配当76円のちょうど半分の38円が中間配当として支払われました。平均取得単価2,063円に対して年間76円なので、取得利回りは3.68パーセント。ビールや清涼飲料の国内最大手クラスでありながら、医薬・バイオケミカルまで持っている会社で、含み益率はプラス40パーセント台です。
サンセイランディック(3277)の1,674円は、少し説明が必要な入金でした。今わたしが持っているのは200株なのに、配当が支払われたのは100株分です。
これは株式分割をまたいだからです。この会社は1株を2株にする株式分割を実施しました。中間配当の基準日である6月末の時点では、わたしの保有は分割前の100株。そこに分割前の中間配当21円がかかって、税引前2,100円という計算になります。分割後の株数200株に、分割後の中間配当10円50銭をかけても、答えは同じ2,100円です。株式分割は、株数と1株あたりの金額を同時に調整するので、受け取る配当の総額は変わりません——当たり前の話ですが、明細を見た瞬間は「100株分しか入っていない」と一瞬あせります。
この銘柄の年間配当は、分割後ベースで37円50銭(中間10円50銭+期末27円)。期末は27円を200株で受け取る計算なので、税引前で5,400円です。中間の2,100円より2.5倍以上大きい——中間と期末で配当の重みがまったく違う会社なので、ここは覚えておきたいところです。平均取得単価473円に対して年間37円50銭で、取得利回りは7.93パーセント。わたしのポートフォリオのなかでも上位のインカム効率です。
荏原実業(6328)は10株で300円。中間配当37円50銭で、年間だと75円になる見込みです。環境関連プラントとエンジニアリングの会社で、今の保有は16株。基準日の6月末には10株だったので、その後に買い増した6株は今回の対象外です。次の期末配当からは16株分が乗ってきます。
9月に入って4営業日で、税引後の受取配当は合計56,519円になりました。
| 入金日 | 内容 | 受取額(税引後) |
|---|---|---|
| 9/1(火) | JT・INPEXほか6銘柄 | 40,870円 |
| 9/2(水) | オプテックスグループ(6914) | 183円 |
| 9/3(木) | ヒューリック(3003) | 4,486円 |
| 9/4(金) | ヤマハ発動機・キリンHD・サンセイランディック・荏原実業 | 10,980円 |
| 9月累計 | — | 56,519円 |
今日のポートフォリオはマイナス205,673円でしたから、配当の10,980円は、その19分の1にしかなりません。それでも、株価の増減は含み損益という「まだ確定していない数字」であるのに対し、配当は口座に入った現金です。この違いは、続けているうちにだんだん効いてきます。
明日以降の注目ポイント
- 日経平均の大幅反発が続くのか、それとも今日の上げが値がさ株だけの一過性で終わるのか
- ドル円155円台から156円台の攻防と、商社・海運・資源株への影響
- 米国の早期利上げ観測の後退がどこまで続くか、再来週のFOMCに向けたFRB高官の発言
- 国内長期金利2.9パーセント台の推移と、銀行株・不動産株の反応
- NY原油90ドル台の定着と、INPEX(1605)など資源関連の値動き
- 9月末の権利付き最終日に向けた高配当株の需給と、3月決算企業の中間配当の権利取り
- キオクシアHD(285A)の10月1日の株式分割(1株→3株)と、AI半導体セクター全体のモメンタム
- 九州電力(9508)の9月29日の上場廃止と、キューデンホールディングスの10月1日上場に向けた需給
まとめ
今日9月4日は「指数は大幅反発、中身は置いてけぼり」という、昨日とちょうど裏返しの一日でした。日経平均プラス1.26パーセントの65,020.94円、TOPIXプラス0.03パーセントの4,103.23、わたしのポートフォリオはマイナス0.55パーセントという結果です。
| 9/4 | |
|---|---|
| 日経平均 | +1.26% |
| TOPIX | +0.03% |
| わたしのポートフォリオ | -0.55% |
日経平均は5営業日ぶりの大幅反発で、一時900円を超える上げ幅をつけました。米国の早期利上げ観測が後退して米長期金利が低下し、大型ハイテク株が上昇した流れが東京にも波及——ソフトバンクグループは前場で約10パーセント高、野村ホールディングスは18年ぶり高値という日です。ところがTOPIXはプラス0.03パーセント。上げていたのは指数上位の値がさAI半導体だけで、市場全体はほとんど動いていませんでした。
ポートフォリオはマイナス0.55パーセント、対日経マイナス1.81パーセントポイント・対TOPIXマイナス0.58パーセントポイント。45日累計は対日経プラス19.19パーセントポイントからプラス17.38パーセントポイントへ縮小しました。ドル円156円29銭への円高、NY原油91ドルへの小幅安、国内長期金利2.900パーセントへの低下——この三点セットが、商社・海運・資源・化学という、わたしの主力そのものに逆風として効いた一日です。
上昇TOP5はキオクシアHD(285A)プラス5.40パーセントを筆頭に、JPX(8697)プラス4.43パーセント、SBIHD(8473)プラス3.86パーセント、メタウォーター(9551)、南海辰村建設(1850)。取引所とネット証券が並んだのは、相場の活況そのものが収益になるビジネスだからです。下落TOP5は住友化学(4005)マイナス5.11パーセント、三井物産(8031)マイナス4.45パーセント、三菱商事(8058)マイナス3.10パーセント、商船三井(9104)マイナス3.07パーセントと為替と資源に晒された銘柄が占有しましたが、5銘柄すべてが含み益を維持し、うち4銘柄は含み益率プラス25パーセント以上です。
本日の取引は東鉄工業(1835)・浜松ホトニクス(6965)・東京建物(8804)を各2株、合計6株・19,299円のナンピン。3銘柄とも、おととい9月2日の全面安でも買っている銘柄です。浜松ホトニクスは8月31日の打診買いから4回目の買い増しで、平均取得単価は2,372円から2,338円へ34円下がりました。1回2株では数円しか動きませんが、4回続けると1.43パーセント下がる——S株ナンピンの意味は、この積み重ねの側にあります。
そしてヤマハ発動機(7272)・キリンHD(2503)・サンセイランディック(3277)・荏原実業(6328)の中間配当が税引後10,980円入金。9月に入って4営業日で、受取配当は累計56,519円になりました。最大の入金はヤマハ発動機の5,977円で、300株に1株25円——円高が逆風になる輸出企業の配当が、円高の日に届いたのは、なんとも今日らしい巡り合わせでした。サンセイランディックは株式分割をまたいだので、200株保有でも配当は分割前の100株分——明細を見た瞬間は少しあせりましたが、分割後の株数と単価で計算しても答えは同じです。
含み損益率はプラス59.48パーセントからプラス58.56パーセントへ、マイナス0.92パーセントポイント。日経平均が800円上げた日に、自分のポートフォリオだけが下げている——気持ちのいい日ではありません。ただ、45日の表を見返せば、わたしが負けるのはいつも指数が大きく反発する日です。下げに強く、上げについていけない——それを承知で選んだ形なのだから、今日は素直に代金を払う日だと思っています。
明日も、地味に、着実に。
📌 関連記事
- 【2026年3月期決算配当まとめ】税引後合計310,541円を受け取った軌跡
- 高配当株投資を始めた理由
- 私が使っている証券会社の比較
- 高配当バリュー株の選び方|5つの条件
- PERとは?初心者向け解説
- PBRとは?初心者向け解説
免責事項:本記事は個人の投資記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。